ストレスに対する耐性は、人それぞれによって異なりますし、同じ人であっても体や心の状態や、ストレスの種類によっても、反応が異なるものです。しかし実際のところ、精神論では中々太刀打ち出来るものではありません。そこで自分なりのストレス対処法を確立することによって、たとえ完全に克服することは無理であっても、ある程度軽減することは可能です。ストレスと一口に言っても、実際のところその影響は、外的要因と内的要因の相互作用によって、その程度が大きく変化します。
例えばあまりくよくよと悩まず行動する人であれば、同じストレスを受ける環境下においても、より上手に対処しているように見えます。人は育った環境や性格的なものなどから、考え方や行動に癖があり、それがストレスを不必要に大きくしていることもあるのです。システムエンジニアの中には、几帳面で責任感も強く、ちょっとしたことで自分を責めてしまう人が少なくありません。しかしそのような自分自身の性格を自覚していれば、より客観的な観点から物事を捉え直して、ストレスを上手くやり過ごすこともできるのです。
論理療法で用いられる「ABC理論」とは、A（Activating event）すなわち出来事とB（Belief）すなわち信念や解釈、そしてC（Consequence）すなわち必然的な結果という3点に着目し、客観的な出来事が主観的な信念や解釈に基づく必然的な結果であるとの認識を、自覚するよう訓練します。
その結果として、固定観念に囚われていたり、悲観的な考え方を、楽観的な思考に変えることができるのです。物事はこのまま未来永劫変わることは無く、自分の力ではどうしようもないとの無力感に苛まれながら諦めるのではなく、たとえ最悪な出来事も、飽くまで今の一時的なことに過ぎないと考えることができれば、気が楽になるでしょう。
また「常に最悪の事態を想定する」のがプロという考え方もありますが、あまりいつも最悪の事態ばかり想像していては、それがさもありそうなことに思えて来るものです。
例えば飛行機の墜落事故など、滅多にないからこそ大きく報道されることによって、不安を過剰に煽られた結果、飛行機に乗れなくなってしまうなどといった具合です。最悪の事態が思い浮かぶ時には、論理的にそれがあり得る確率や、一番あり得べき事態とはどのようなものかといったことを、冷静に考えるよう習慣付けることです。
「リコレクト」は、自信を失くしていたり、モチベーションの上下の幅が激しかったりと、メンタル面で悩む人に、メンタルトレーニングを学ぶ場を提供しています。
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