スポーツをして汗を流すと、気持ちが良いと感じる人は多いものです。テニスや登山などのように道具や装備を揃えなくても、ジョギングやマラソンであれば手軽に誰もが始められるとあって、健康づくりのための日課としている人も少なくありません。また犬を飼っているのであれば、雨の日も風の日も、愛犬に促されて渋々外に散歩に連れ出さざるを得ないために、それが生活習慣病予防に一役買っているということもあるでしょう。
体を動かすことは、もちろん体力の維持や増進にもつながりますが、それだけではなく精神的にも良い影響を及ぼします。くよくよ悩んでいたことをいつの間にか忘れてしまったり、考え方がポジティブに変わったり、新たな発想が浮かんだり、ストレス解消にも役立ちます。たとえほんの20分のランニングであっても、気分が良くなるといったリフレッシュ効果は、長ければ半日も持続するといわれています。
またうつ病を患っている人に対しても、短時間でも良いので外を散歩することを勧めるなど、個人差はあるものの一定程度症状を緩和させる効果があると認められているのです。うつ病を患うと、家から一歩も出ずに引き籠ってしまい、不眠に悩まされるという場合も少なくありませんが、程良い運動で体を疲れさせることは、心地良い睡眠を誘います。
さてストレス解消効果を狙う場合には、筋力トレーニングのような無酸素運動よりも、ランニングのような有酸素運動が良いとされています。ストレスは、決して気のせいなどではなく、体の中でコルチゾールというストレスホルモンが分泌されるという変化を引き起こします。これが大量に分泌されると、体に症状が表れるようにもなるのですが、このコルチゾールは、ランニングや水泳のような有酸素運動によって分解が促され、従ってストレスが解消されることになるのです。
また有酸素運動を行っている間は、同じ動作を反復したり、負荷の軽い動作を続けることになりますが、これが体の中にエンドルフィンという物質を分泌させることになり、心地良いと感じるようになるのです。更に有酸素運動を続けていると、セロトニンやドーパミンといった快楽物質も分泌されるため、増々気分が良くなるというわけです。
もちろんいくら有酸素運動がストレス解消に効果的とはいえ、ノルマとして己に課して嫌々やるものではありません。生真面目な性格の人は、運動を日課とする以上、どんなに調子の悪い時にも、常と変らず同じように頑張ろうとすることがありますが、程良い負荷のかかる状態が望めない場合に無理をするのは、「百害あって一利無し」です。
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